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妊娠38週6日〜また食べる妊婦(出産詳細篇その5)

詳細篇その4のつづき。
 詳細篇ラストです。産後もろもろ。
 胎盤の写真がバッチリ出てくるので、
 そういうの苦手な方はご遠慮くださいませ〜)

出産直後


ついに腹太郎を出産。

いや、もう腹から出て来たから腹太郎じゃないか。

まずは表面をさっとふいてすぐ、胸の上に乗せてくれる。

いわゆるカンガルーケア。

カンガルーケア

どわあ。

このごっつい鼻。エコー写真と一緒。

思ってたより目が細いなあ。王子似?

でもなんだか不思議な境地。

産まれる前は、目は私似がいいなあ、とか、

スタイルと頭脳は王子に似ればいいなあ、とか、

性別が男子でよかった、

とかいろいろ考えてたけど、

今は出てきてくれただけで何でもいい。

男子でも女子でも王子似でも私似でも、

なんでも素直に嬉しい気分。


分娩室に入って来た妹が、

「かわいい!」と連呼してくれる。

でもまだ正直、

私にはかわいいのかどうかわからない。

それくらい、出産の疲れと興奮で頭が呆然としている。

でも、とにかく、心からほっとした。


息子を眺めつつも、まだ下半身の処置は続いている。

膣から胎盤を引っ張りだす。

そして会陰を縫い合わせてゆく。

熟練のお針子さんのような手つきの先生。

自分の下半身が大きな布になった気分。

先生が処置をしつつ言う。

「胎盤、どうする〜?ホントに食べる〜?」

あ、そういや、そうでした。

そんなお願いをしてたのでした。

「ええと、見てから決めていいですか」

と頼んでみる。

もしかしたらドス黒くて食欲わかないかもだもんなあ。

胎盤02 胎盤01

そして見せてもらったのが左の写真。

まだ血だらけの胎盤(グロくてすんません)。

お、思ったより鮮やかな赤色。

「食べます」と即答する。

先生は食べやすいサイズにちぎってくれつつ、

「でもさ〜美肌効果とか、

 そういうのは期待しないほうがいいよ!

 プラセンタ(胎盤)エキスとかああいうのも、

 実際はあんまり効果ないんだよね〜」

とさばさば言う。

すんません、美肌効果とかなんとかより、

ただ味に興味があるのです。

(そいえば、入院中にたまたま見た産院の予定表に

 「胎盤業者回収日」とあったから、

 この産院でも医薬品とか化粧品の会社に、

 胎盤を提供してるのかも〜?

 しかし胎盤業者ってシュールな職種名!)

そして一口サイズに切ってくれたのが右。

実際は写真よりもっと鮮やかな赤。

腹太郎、もとい息子はきれいにするため、

いったん助産師さんが連れて行った。

てなわけで、まずは生のまま一口実食。

食べたことがないくらい、

新鮮でやわらかくぷるんとしたレバ刺し。

いや、レバ刺しよりほんの少し、

舌触りがざらっとしてるか?

これは、おいしい、と思う。

その後、持ち込んでいた

塩、手作り塩麹、わさび醤油をつけて食べた。

世間は塩麹ブームだけど、

塩麹で胎盤食べた人はまだいないんじゃないだろか?

妹も一口食べたけど、おいしい、と言っていた。


そんなとき、ボケ王子から電話。

「もう産まれたよ」と告げると、

「えええええええ!!」と驚愕の声。

しかも今どこにいるか聞くと、宇都宮だという。

上越新幹線は宇都宮は通過しないはず。

王子よ、いったいどこに向かってる。

あの人、あんなんで普段ちゃんと働いているのだろか。

どうも仕事はできるという話はよく聞くけど、

プライベートからはその気配は一切ないぞ。

もう知らん。

宇都宮で餃子でも食べてくるがよい。

(実際は、宇都宮が王子の勘違いで、

 ちゃんと新幹線はあってた)


その後、下半身をふいてもらい、

助産師さんにオムツ並みにでかい

産後用のナプキンなどをつけてもらう。

ここまで何もかもやってもらうと、

もはや要介護老人の気分。

病院角煮 角煮02

その後、運ばれてきたのが夕ごはん。

いきなり角煮定食。ええええ。

病院食がこんなにガッツリしてんの!?

でももちろん完食。しかもおいしい。

な、なんて私向きの病院なんだ!

産後横抱き

そして、産着を着せてもらった息子が再登場。

こんどは私の左脇に置いてくれる。

小さいのですっぽり。

そこからは家族全員が中に入って来て、

2時間ほど休憩&撮影&だっこタイム。

しかしカンガルーケアにしてもこの体勢にしても、

息子を頭の上から見下ろすようなかんじなので、

母親の私がいちばん顔が見えにくい。

ますますかわいいのかどうかわからない。

しかも起き上がろうにも、下半身がきつい。

後陣痛というものあるらしいし、

なにより縫われた股がちくちく痛い。

歩こうにもびっこを引いてやっという状態。

トイレも沁みるしかなりつらい。


そっか、妊娠って産後もこんなに大変なんだ。

産んだらスッキリ、元気にママライフに突入!

ってわけにはいかないんだなあ。

落とした物も拾えないような状態なので、

病室を希望してた相部屋から個室に変更してもらう。


夕方、家族も引き取ってひとり病室。

とにかく全身疲労困憊。

この病院は母子別室だけど、

母子同室の病院なら、こんなボロボロ状態で、

いきなり子育てをすることになるらしい。

ムムム、ムリ!絶対にムリ!

いくら体力のある私でも死ぬ。即死。

母子別室でよかったと心から思う。


夜8時頃、王子到着。

私に怒られるのを恐れてビクビクしている。

間に合わなかった理由を再確認するが、

完全に純粋に寝坊らしい。

「まさか18日にホントに産むとは思わなかったからさあ」

と言う。だ〜か〜ら〜(以下略)。

そういえば、私と妹が18日に産まれると信じ込んでる脇で、

うちの父親も、

「そんな予定日1週間前にうまく産まれるか!」

とまるでバカにしてたっけ。

結論。男は女の神通力を信じない。

もし王子がちゃんと間に合っていたら、

あの地獄の陣痛タイムが

2時間くらい短くなっていた気がするんだけどなあ。

しかも私、きのうは出産前日だというのに、

王子の誕生日プレゼントを購入しに行っていたのだ。

私は王子に告げた。

「富山の山奥の寺にでも行って、座禅組んでこい」


王子が引き取ったあと、

もう一度息子の顔をガラス越しに眺める。

まだ母親になったという実感はない。

そして今日一日を反芻する。

ああ、出産がこんなに大変だったなんて。

途中何度も、大枚はたいて無痛分娩にするべきだったかも、

と思ったけど、これを一度体験するのも悪くない気がする。

きっと私はこれから、病気入院した人に対し、

以前よりもっと優しくなれるだろう。

「痛い」という言葉の本当の意味を体感できた。

もう二度と出産なんてゴメンだ、という気もするが、

今日の妹の献身的な立ち会いを見て、

姉妹がいるってなんてすばらしいんだろう、

と心の底から感動したりもした。

そうなると腹太郎にも兄弟をつくってあげたい気もする。

でも次回って、いったい私はいくつだ。

今回はまあよかったとして、

次回がもしあるなら絶対に無痛だな、

と富山の無痛分娩病院を思わずネットで調べてしまう。


夜、いろんな助産師さんに、

胎盤の味について質問される。

この病院で胎盤を食べたのは私が初のようだ。ははは。


そして、深夜。

こんなに全身ぐったりなのに、

興奮状態おさまらず、なかなか寝つけない。

産後はアドレナリンが出ていて、

そうなるのが普通らしい。

地獄と天国を行ったりきたりの一日。

そして、腹太郎くんの誕生日の一日が、

やっと、やっと終わった。

banner_good.gif というわけで詳細篇、おわり〜!

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妊娠38週6日〜リキむ妊婦(出産詳細篇その4)

詳細篇その3のつづき。
 いよいよ大詰め、分娩です!)

分娩


分娩からは、立ち会いの人は退出となる。

助産師さんがてきぱきと準備を開始。

下半身にかけていた毛布はとられ、

両足をプロテクターのようなもので覆い、

立て膝大股開き状態にして固定。

下半身の下には防水シートが敷かれ、

さらに上にも防水シートがかけられる。

下の毛の一部を剃毛。

分娩作業、途中まではこの助産師さん1人で行うようだ。

同じ働く女子として、助産師さんを心から尊敬する。

キセキ

ところで。

分娩については、

私はかねてから期待していたことがあった。

それはMINMIの「出産=最高のエクスタシー説」である。

友人の超人ママンよりちゃんも同じことを言っていた

よりちゃん曰く、

「陣痛は痛い。でも分娩は気持ちいい!

 その後のセックスがどーでもよくなるよ!」。

それがホントなら、

悶絶陣痛地獄のあと、

これから私は恍惚天国で昇天することになる。

私の腹太郎への話しかけは、

MINMIの本をけっこう参考にしてきた。

さあ。

「今まで知っている最高のSEX以上の快感」とやら、

とくと味あわせてもらおうじゃないの!


準備も終わり、分娩開始。

まず、人工的に破水させる。

プスッ、パシャン、ドッというかんじで、

液体状のものが流れ出る。

ここから、呼吸法を変えるという。

出産時の呼吸は病院によっても異なると思うけど、

この病院では以下の通り。

今までは、痛みが来たら深く息を吸っていたものを、

これからは、痛みが引いたら深く息を吸い、

痛みが来たら、大きく息を吸ったあとで、

息を止めて、リキんで胎児を押し出す、に変更。

リキむ際には、手は手すりを握り、

両足にしっかり力を入れる。


助産師さんの指導に従い、

一度その呼吸法でやってみる。

。。。。。あれ?

えーと、おかしいな??

この感覚、どう考えても、

赤ちゃんが肛門から出てるとしか思えない。

あの〜、出産って膣から出すんだよね??

でも私には、いま自分がやっている作業は、

とてつもない超巨大うんこを、

フンッとリキんで肛門から出しているとしか思えない。

膣から出る感覚がないとなると、

エクスタシーもなにもあったもんじゃない。

私はうんこを出すときにエクスタシーは感じない。

どういうこと??

MINMIとよりちゃん、肛門に性感帯が!?

いやまあ、もちろん肛門にも性感帯はあるけど、

膣ほどに快感を感じる部分ではないだろう。

それなのに、なぜにセックス以上の快感?

うーむ、意味わからん。

しかし自分にとっては自分の感覚がすべてだ。

とにかく私にとっては快感とはちょっと別世界。

ぐむう、残念無念。ちぇっ。


というわけで、ふたたび、

大きなうんこ、もとい、腹太郎を出す呼吸法に集中。

そこで、はっ、と気づく腹ボテ。

これほどに便通の感覚と近いなら、

妊婦時代の便秘対策で身につけた

あのデルデル呼吸が役立つのではないか!?

というわけで、次に痛みが来たタイミングで、

デルデル呼吸を試してみる。

すると助産師さんに、

「そうじゃなくて、そこは息を止めてリキんで!」

と注意されてしまう。

そ、そっか。すんません。

せっかくリキまない便出し方法を憶えたのになあ。

(だから赤ちゃんは便じゃないってば)

気を取り直して、

次からまた助産師さんの言うとおりの呼吸法でやってみる。

リキんだ瞬間に、ぐぐぐと胎児が押し出されるのがわかる。

もちろん陣痛は続行しているから、

痛みの波がくると、前と同じように激痛。

でも前と明らかに違うことがある。

それは、

「ここからは、コツを掴んで正しくやれば、

 やった分だけしっかり成果がでて、

 その分だけ早く終わらせることができる」

ということだった。

ついさっきまでの、ただただ為す術なく

痛みをこらえるだけだった世界とは明らかに違う。


そして、なによりも。

指導のとおりにカラダを動かし、

呼吸を利用していくというこの一連の作業。

私が今までやってきたダンスやエクササイズの

レッスン経験が、間違いなく、間違いなく生きる!

私はダンスはドヘタクソだけど、

受けたレッスンの種類だけはハンパない。

指導を受けてそれを実行していく、

という過程は何度も何度も繰り返してきた。

通っていたフラメンコ教室も、

呼吸の大事さを重視するレッスンをするところだった。

激痛の中で確信する腹ボテ。

「これは、私には、有利だ」


もはや艶っぽいエクスタシーワールドのことを忘れ、

ダンスレッスンに挑む練習生のごとく、

呼吸と動きに集中力を高めてゆく私。

痛みを待って、フン!と何度もリキんでゆく。

1回リキむごとに、

痛みを感じる部分が下腹部に降りてゆく。

そして、腹太郎が外の世界に近づいているのがわかる。

「そうそう、呼吸、うまい!いいかんじ!」

助産師さんが声をかけてくれる。

よし、これは、いける。


何度か繰り返して、

膣から頭が少し見えて来たらしいところで、

ついに先生が登場。

待ってました!!!


出血多量に備えて点滴を装着。

いよいよ外科手術っぽいムードに。

そしてまたここから呼吸法を変える。

次は、胸の上で手をクロスし、

痛みが来たタイミングで、

力を抜いて、はっはっはっ、と息を短く吐けと言う。

合点承知。

そのとおりやりますとも!

股をしっかり開き、短い呼吸を繰り返す。

先生も「いいね!呼吸いいかんじ!」

と声をかけてくれる。

押し出される感覚がますます強くなる。

そしてギリギリまで出たところで、

麻酔、会陰切開。

6センチ切った。

ジョキジョキジョキ、

とイメージどおりの原始的な音がする。

でも痛みの感覚としては、チクチクチク、くらい。

本当はもっと痛いのかもしれないけど、

陣痛に比べたらかわいいものである。

切開したら、すぐに腹太郎がひっぱり出された。

ずっとイメージしていた、スポン!ではなく、

ぬるぬるした物体がニュルルン、

と出てきたかんじ。


ついに。

私のお腹で10ヶ月も暮らしてきた腹太郎が、

羊水世界から、私と同じ外世界にやったきた。


妊娠から38週と6日。

おしるしから約16時間。

陣痛開始から約8時間。

病院に来てから約7時間。

分娩施術開始から20分弱。

平成24年2月18日午後4時41分。

3165gの男子。自然分娩。出血量、少量。


先生いわく、

「年齢なんかを考えても、

 もっとかかると思ってたのになあ〜!

 早くてびっくりしたよ!」

だそうな。

それに通常、初産婦は、

最後の分娩作業に1時間くらいかかるものらしい。

でも私は20分弱だったし、妹には、

「隣の分娩室からは、別の妊婦さんの、

 ひいいい〜〜〜!!って叫び声が聞こえてたのに、

 ユキちゃんの声は全然しなくて、

 しかもあっという間でびっくりした」

と言われた。

とにかく、私にとっては地獄の半日だったけど、

世間的には「安産」らしい。

バルーンや吸引機も使わなかった。


でも、とにもかくにも、

10ヶ月、苦楽を共にしてきた

腹太郎くんとついにご対面である。

分娩室には、泣き声が響いている。

banner_good.gif 詳細篇その5へつづく!次回、胎盤を。。

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妊娠38週6日〜説得しなおす妊婦(出産詳細篇その3)


出産詳細篇その2のつづき。
 より壮絶になっていくので、
 出産前の妊婦さんは覚悟のうえで
 お読みくださいませ〜!)

説得しなおし


陣痛にのたうちまわる腹ボテ。

そこに追い打ちをかけるように、

今度は吐き気がぐわっとわいてきた。

子宮の動きのせいで、胃にも負担がかかり、

人によっては陣痛中に吐くこともあるらしい。

私はまさにそのタイプだった。

ああ、なんてこった。

悪阻時代、胃逆流時代、とリバースしまくった私、

妊婦ライフの最後の最後まで吐き続けるとは。

もはや私にとって吐くこと自体はカンタンだけど、

吐き気と陣痛がいっぺんにきたときがきつい。

集中力をどこに向けていいかわからず、

肉体的にも精神的にも発狂寸前。

朝、食い意地でむりやり食べたプリンはすべて吐いた。

UFOは出てこなかった(消化がいいの?)。

上も下も何もかもがぐちゃぐちゃ。

つらすぎる。ひどすぎる。


それにしても、こんなみっともない姿を、

いろんな人に見られ続けているこの状況。

はて、前にも経験したことあるなと思ったら、

そうだ、大学時代のサークル合宿で、

呑みすぎで倒れて、泡を吹いたときと一緒だ。

そのときも、そんなカニみたいな私を、

「人間ってホントに泡をふくんだ。。」

と皆が妙に感心しながら見つめてたっけ。

いま考えるとあれって急性アルコール中毒だし(怖!)、

あの頃はまだ酒の呑み方をわかってなかったよなあ。


そんなどうでもいいことを思い出しているうちに、

もう吐いても何もでなくなってきた。

そして陣痛の間隔がどんどん短くなり、

2.3分ごとに痛みの波がやってくるように。

痛みがないときは寝ているように見えたそうだが、

実際には、痛みのひどさで失神し、

また次の痛みで目覚めていた、というほうが正しい。

だから実感としては切れ目なく痛い。

そう、まるで朦朧とした世界を彷徨いながら、

ラース・フォン・トリアー映画のような

トラウマ悪夢を見続けているかんじ。

夢なのに、痛みだけがリアルで、カラダを擘く。


陣痛間隔が狭まったので、いよいよ分娩、

といくかと思いきや、

分娩監視装置の数値的にはまだまだだという。

のたうちまわっているせいで正しく計測できてないのか、

どうも数値と感覚がずれている。

ずっと見ている妹いわく、

「私のときは陣痛促進剤を使ったせいなのか、

 陣痛はきっちり正確に10分間隔だった。

 だから休むヒマもあったけど、

 ユキちゃんのはずっと痛そうでつらそう」

とのこと。もう泣きたい。


それにしても、このエンドレス苦行。

これってまるでマラソンとか登山みたい。

私がいちばん嫌いなタイプのスポーツ。

やっている間は苦しいけど、

終わったあとにとんでもない爽快感が待っている、

そんな手合いのもの(私のイメージ)たち。

そして爽快感といえば、

痛みがおさまった直後に、たまに突然、

バッと覚醒する瞬間が来るのがかなり不思議。

朦朧とした世界が、なぜか一瞬で吹き飛び、

世界がぐぐっとクリアに浮かび上がる。

その一瞬、完璧なデトックスをしたみたいに、

とんでもない爽快感と達成感がカラダを突き抜ける。

体験したことはないし、一生体験したくもないけど、

エベレストの山頂に登ったり、

フルマラソンを走り切ったりすると、

きっとあんな気持ちになるのではないだろうか?

ちょっと体験したことのないような爽やかさ。

(妹によれば、そのとき血色もすごくよかったらしい)

ああ、でもいやだいやだ。

私がダンスを好きなのは、

やっている間もずっと爽快で楽しいからなのに。

だからホントにこのテのかんじは向いてない。

そして、なによりこれは、出産登山。

一瞬の爽快感がカラダを駆け抜けた直後、

またずるずるりと長い拷問地獄にひきずりこまれていく。


体力的にも精神的にももう限界である。

思わず助産師さんに、

「もうムリです。痛みの緩和剤とかないんですか」

とついに弱音を吐いてしまう。

しかし答えはあっさりきっぱり、

「ありません。痛みがないと、

 赤ちゃんがでてこれないんです」

とのこと。オーマイガッ。

出産01 陣痛椅子

上は妹が撮ってくれた写真。

右の椅子は仰向きがつらい人用のもの。

妹があまりに苦しげな私をみかねて、

ここに乗ることを提案してくれて試すが、

この体勢は私には全くダメだった。


そんな悪あがきをしながらはっ、と思う。

まるで進展しないこの状況。

。。。ひょっとして、腹太郎、私の説得を守って、

王子が来るのを待っているのでは?

だからちっとも分娩に入れないのでは?

ちなみに、現在午後2時。

いまだに王子と連絡はとれていない。

そこで上のイラストのごとく、再説得開始。

くそう、なぜにただでさえ苦しいのに、

こんな余計な仕事までせにゃならんのだっ。

ああ、私が大変なときはいつもいない男なのに、

なぜにあんな説得をしてしまったのか。

不覚、我が人生一生の不覚。くう。


そして午後3時。

膣からどっと液体が出た感覚があり、

「すわ、破水か!?」

と思い、ナースコール。

でもこれは多量の出血で、破水ではないらしい。

心の奥底から、がっかり。

でも子宮口は7センチに広がっていた。

ちょっと光が見えたかんじ。

ちなみに陣痛の間は、痛みがきたら、

子宮に空気を入れるように深い呼吸をしないといけないのだけど、

それにもやっと慣れてきた。

(痛みのあまり、つい呼吸を止めてリキんでしまうので、

 これがホントに難しい)


そんなとき。

やっと妹と王子が連絡がとれた。

しかし、電話に出た王子、

「はいは〜い」と呑気な声だったらしく、

思わずがくっと力が抜ける妹。

そして2時ごろに起きていたのに、

まさか陣痛始まっているとは思わず

(なぜにどうして思わないのだ??)、

携帯をチェックすらしなかったらしい王子。

な、なんじゃそりゃ!!

ホントに人の話聞いとらんな!!

妹が状況を説明すると、

驚いて、今から富山に向かうという。

あ、あの大ボケマイペースB型男!!!

思わず、「死ね」と呟く腹ボテ。

ああ、新しい命を産みだす美しき瞬間に、

なんでそんな汚い言葉を吐かにゃならんのだっ!


そして午後4時ごろ。

さらに痛みの間隔が短くなり、

痛みも強烈に増してきたので、

もう一度、ナースコール。

子宮口が9センチ開いているという。

やた!!!!!!

分娩準備を始めます、と助産師さん。

(しかし、いま考えても、

 監視装置の数値と痛みの感覚はずれてたよな〜。

 私がナースコールしなかったら、

 たぶんもっと放置されていた気がするよ。

 先生も「この数値でなんでこんなに痛がるんだろう?」

 って首を傾げてたらしいし)


苦しみ続けた陣痛地獄の終わりが見えてきた。

王子なんてもうどうでもいい(きっぱり)。

腹太郎に、力を振り絞り、話しかける。

「お母さんは大丈夫。痛くないよ。

 外の世界は楽しいよ。

 だから、すぽんと出てこようね」


出産まで、約20分。

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(今ごろですが、
 出産速報篇のコメントに個別返信しました〜。
 息子が起きるまでの間に!と超急いで書いたので、
 返信もれや誤字脱字があると思いますが、
 ご了承くださいませ〜。
 しかし、お祝いの言葉に御礼を書くって、
 なんとも幸せな気持ちになりますね。
 ありがとうございました!!)

妊娠38週6日〜七転八倒の妊婦(出産詳細篇その2)


出産詳細篇その1のつづきですよ〜)

たちあい


午前10時。病院到着。

父が荷物をすべて運んでくれる。ありがたや。


まずは先生の内診。

子宮口は3センチくらい開いてるそう。

ちなみに、10センチ開いたところで分娩となる。

先生いわく、

「全然これからだね〜!まだまだかかるよ〜!

 年齢も年齢だから、子宮口も固いしね!

 まずは子宮口を柔らかくする注射を打とうか!」

だそう。いつもながら明るくバッサリ。

まだまだ、ですか、そうですか。

もうけっこう痛いんだけどなあ。しょぼん。


看護婦さんの案内で、2階へ移動。

「きついですけど、階段でいきましょう。

 そのほうが子宮口が開きやすくなるので」

ということで、よろよろ階段を登る。

そういや、かつて友人は子宮口を開くため、

出産直前に階段を5往復させられたと言ってたっけ。

2階に行くくらい、全然歩きますよ、あたしゃ。

と、心はやる気まんまんだけど、痛みが容赦なくやってくる。

もう少しで2階につく、というときに痛みの波がきて、

手すりにつかまり、へたへたと床に座り込んでしまう。

そして波が去るのを待ってから見渡せば、

すでに父と看護婦さんの姿が見えなくなっていた。

いきなり迷子である。

仕方なく、2階に上がってすぐの食堂に座る。

すると看護婦さんが戻ってきて、

「つらいだろうけど、歩かないと!」と言う。

いやいや、どこに行けばいいかわからなかったんですよ。

こうみえてやる気のある腹ボテなんですよ、

と心の中で弁解。

そんなこんなで分娩室へ移動。

陣痛室へ 陣痛室

この病院では、陣痛待機室と分娩室が同じ部屋。

写真は分娩室前廊下と分娩室のベッドから。

廊下は後日撮ったもの。右は当日。

結局、これが出産前に撮れた最後の写真になった。


さて、午前10時半ごろ。

出産のためのもろもろ準備スタート。

まずは人生初の浣腸。これは痛くない。

浣腸されると数分で便意がわいてきて、

水状の便がどっと出る。あっさり。

次に、子宮口を柔らかくする注射を打つ。

さらに、私はB群溶血性連鎖球菌が陽性なので、

その抗生剤の点滴を1時間弱かけて入れていく。

同時に、分娩監視装置をお腹に装着し、

お腹の張りと胎児の心拍音をチェックしていく。


そうこうしている間に、妹と姪っ子&甥っ子が到着。

去年のまさに同じ日、この病院で、

帝王切開で甥っ子を出産した妹。

勝手知ったる病院なのでそのフォローはまさに完璧。

苦しさで余裕のなくなった私に替わって、

腹太郎への話しかけまで手伝ってくれた。

今から思うに、

妹が立ち会っていなければ、私の痛みは倍増し、

出産時間も倍になっていたと真剣に思う。

ドラマなんかだと、

出産シーンには常にお医者さんがいるけど、

それは最後の分娩の話で、

実際この陣痛タイムには放置状態なので、

(分娩監視装置で数値はチェックされている)

立ち会う人がいないとホントにひとりぼっちなのだ。

だから誰がどんな風に立ち会うかって、かなり重要。

それに口もきけないほど痛くなるので、

それでも要求を理解してくれる人でないと不便。


さて、私の陣痛。

痛みはもはや大津波のごとく増している。

よく陣痛は定期的に痛みの波がくると聞くけど、

私の場合はまるで不定期。

間が5分だったり10分だったり。

そして痛みはまさに波のごとく「キタ!」

というかんじで襲いかかってくる。

下腹部から股にかけて、

みしみしと締め付けられるような、激痛、絞痛。

妹のときは、絶えず誰かに腰をさすってもらわないと

痛くてしょうがなかったらしいが、

私の場合、腰などを誰かに触られると逆に苦しい。

すでに痛みであまり喋れないのに、

「痛いのでそこは触らないで」

といちいち伝えるのがすごく大変。

とにかくのたうちまわって痛みを拡散していく。

手は手すりを握ったり、宙を掴んだり、妹の手を握ったり。

人間にとって、手って大事なんだな、

とあらためて思う。

たまに「痛い!」と絞り出すように叫んでしまうが、

こんなときに当たり前の表現しかできないもんだなあ、

と息を切らしながらしみじみ思う。


しかし、痛み自体もさることながら、

いつになったら分娩に入れるのかがわからないのが

たまらなく不安。出口のない暗闇の恐怖。

助産師さんに尋ねると、

「痛みの間隔が2.3分おきになって、

 痛みのピークの時間が40秒くらい続いたらです」

とのこと。ええええええ。

いまの痛みでさえ堪えがたいのに、

さらにひどくなるのを、

ひたすらにじっと待たねばならないのか。

まらにリアル拷問。


点滴などが終わって、昼頃。

母も仕事を早退してかけつけてくれた。

父はずっと待合室で待機していてくれる。

義母には朝、病院に入ることを電話で伝えた。


さて。

肝心の王子は富山に向かっているのか。

否。

朝、病院に行く前に電話したけど出ない。

でもこれは想定内。

ハードワークライフの王子、

週末は昼まで寝るのが常だし、

低血圧で寝起きが最低最悪だ。

とはいえ、いつもなら昼ごろに起きるはず。

ところが、今日は着信を鳴らせど鳴らせどまだ出ない。

私が電話するのもムリになってきたので、

妹にかわりに何度も電話してもらうが出ない。


。。。。間違いない、まだ寝ている。


あんのバカ王子!!!

あれほどしつこく、「おしるし」後は、

いつでも来れるように準備しろと伝えたのに。

そして私は18日に産むと宣言しつづけてきたのに。

なんのための計画的土曜出産なのだ。

まさに七転八倒、のたうちまわる猛苦のなかで、

王子を呪いはじめる腹ボテ。

はたして奴は間に合うのであろうか。


出産まで、約5時間。

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妊娠38週6日〜冷静な妊婦(出産詳細篇その1)

(詳細篇、何回かに分けて書いていきますよ〜。
 ですが、痛みなどをリアルに描写していくので、
 出産直前に恐怖感を高めたくない、
 という妊婦さんは読まないほうがいいかもです。
 でもこの「その1」はたいしたことないです)

行方不明のレンぞう


朝5時ごろにぬるりと目が覚める。

下腹部がずんと重い。

「おしるし」らしき出血は続いている。

でもよく考えたら、「おしるし」って、

おりものに少量の血が混じったものじゃなかったっけ?

実はやばい不正出血だったらどうしよう、とちょっと不安。

しかし、twitterで同業友人数人とやりとりしていたら、

これも「おしるし」だということが判明。

「生理量くらいまでの出血のおしるしは正常」

らしい。ほっと胸を撫で下ろす。

(詳しくは同業友人しのさんの出産マンガ参照。

 出産前後のことが詳しく描いてあるよ〜。

 しかし、ママさんイラストレーターは皆、

 早起きなので助かった〜!感謝!)


下腹部は、ひどい生理痛のようなじわじわした重さ。

特に痛みに波というものはない。

ということは、これが世に言う前駆陣痛?


起きてきた両親に事情を説明し、

とりあえず今の状態ならすぐの出産はないだろう、

との判断で、母は仕事、父はスポーツクラブ、

といつもの生活をしてもらうことにする。

私はまず、朝の日課、ブログ更新。

このブログを毎日執拗に更新してきたかいあって、

今や更新速度が鬼のように早い私。

でも今日はさすがに時間がかかる。

休憩挟みつつ、やっこさで更新終了。

腹すりレンぞう UFO.jpg

左はお腹にすりよるレンぞう。

(結果的にこれが最後の腹ボテ&レンぞう写真)

右は朝ごはんのUFO。

普段の朝食は母がつくる品数豊富なものなのだけど、

最近急にカップ麺が食べたくなった私、

きのう欲望に負けて購入してしまっていたのだ。

母のおでかけがいつもより早かったこともあり、

「カーネーション」見つつ、UFOをずるずる。



そして午前9時少し前。

だんだん痛みが強くなり、波が出てくる。

あり?ひょっとして陣痛になってきた?

それにしたって、いきなり痛みの間隔が短い。

妹に電話で相談すると、間隔の時間を計れと言われる。

計ってみたら、すでに10〜15分間隔。

だんだんと間隔が短くなっていくものと聞いていたのになあ。

病院に連絡すると、入院準備をしてすぐに病院へとの指示。

ま、まさかホントに今日、出産することになる!?

ホントに焼肉&オロCが効いちゃった!?

ギリギリでまだ家にいた父に車を出してくれるように頼み、

のろのろと身の周りのものをまとめる。


しかし、そこでハタと気づく腹ボテ。

待てよ。

もしこれから出産になったとしたら、

妊婦生活最後の食事がUFOになるわけ?

ぐむう。昔からUFOは愛しているけれども、

これだけ食いしん坊マタニティライフを送ってきたのに、

それはなんだかせつなすぎやしないか。

そのとき、ふとあるもののことを思い出した。

プリン01 プリン02

きのう、妹が「あの人の食器棚」のレシピでつくってくれたプリン。

一晩冷ましたら型から出すように頼まれていたのだ。

そうだ!あれをちょっと食べてから出発しよう。

父にその旨伝えると、

「こんなときに!?おまえはホントに意地汚いな!」

と呆れられる。

とか言いつつ、私がプリンを型から出し終わったら、

私より先にぱくっと一口食べた父・マサオ。

(写真右のプリンの左はじが欠けているのがそれ)

おいこら、意地汚いのはどっちじゃ!

つーか意地汚いのは間違いなくあんたの血ですよ!

そんなこんなで私もプリンを5口ほどひょいぱく食べて、

心置きなく家を出発。素朴でうまし。


外はがんがん大雪。病院まで約15分。

雪道のぼこぼこによる振動が下半身に響く。きつい。

父がなるべく振動少なく運転するよう気を使ってくれる。

痛みがだんだん強くなってきた。

間隔もさらに短くなってきている。

ずしずしめりめりとした痛み。

でも耐えられないほどじゃない。

父にそういった状態をちゃんと説明もできる。

大丈夫、私は落ち着いている。

ダテに高齢妊婦ではないのだ。

プリンだって、ちゃんとラップをかけて、

トイプードルのくーちゃんに食べられない場所に移したし、

レンぞうにもおでかけの理由をちゃんと説明してきた。

腹太郎に小声で、

「いよいよだね、共にがんばろうね。

 すぽんと出てくるんだよ!」

と話しかけもした。

私は大丈夫。冷静に出産に挑める。


しかし、そんな冷静さが、

1時間後にあっさり崩れることなろうとは。

せっかく食べたプリンも吐いてしまうことになろうとは。

そんな近未来をまだ微塵も予想できていない、

出産7時間前の腹ボテであった。

banner_good.gif 詳細篇その2へつづく!

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Appendix

踊る!うわばみ妊婦

うわばみ=大蛇、またはヤマタノオロチが酒に目が眩んで成敗されたことから、酒好きの大酒呑みのこと。このブログは、酒、食べ歩き、ダンス、猫、祭り、映画が好きな道楽人間が妊娠によって変化していく経緯を記録した、個人的妊娠メモです。

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プロフィール

うわばみ妊婦

Author:うわばみ妊婦
イラストレーターのカワハラユキコです。お仕事サイトはこちら。最新のブログはこちら。twitterはこちら。37歳→38歳初産。ダンナ=王子(正式名称・汚れたプリンス)、猫はレンぞう。みずがめ座AB型。

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